YCCヨコハマ創造都市センターでは、アートプログラム「YCC Temporary」の第6弾として、また同時期に横浜で開催されるDance Dance Dance @ YOKOHAMA 2018の関連プログラムとして、2018年9月7日(金)~9日(日)の間、国際的に評価の高いアーティストグループ「ダムタイプ」による、過去パフォーマンス作品「pH」および「S/N」の記録映像スクリーニングを開催します。また、9月8日「S/N」上映後には、高谷史郎らダムタイプメンバーに加え、1994年、神奈川芸術フェスティバルでの「S/N」公演時のプロデューサーを務められた佐藤まいみ氏をゲストにお迎えし、トークイベントも開催いたします。
ダムタイプは、1984年に京都市立芸術大学の学生を中心に結成されて以来、作品毎に参加メンバーを変化させながら、映像、音楽、ダンスなどあらゆる分野を横断する作品を国内外で発表してきました。今回のスクリーニングでは、ダムタイプのパフォーマンス作品の中から、1990年に初演され、ダムタイプが世界に広く知られるきっかけとなった、消費社会をテーマとした「pH」(1990-95年)と、人種・国籍・性など、社会が直面している問題をテーマにした「S/N」(1994-96年)の記録映像を、1階ギャラリーにて上映いたします。なお、「S/N」に加え「pH」の上映でも、公演当時両作品の音楽を担当した山中透によるライブサウンド・オペレーション(記録映像とライブ音源を同調させ上映)にて実施します。
日本国内だけでなく、世界中の多くの人々に影響を与えたダムタイプによるパフォーマンスの記録を是非ご鑑賞ください。
YCC Temporary DUMB TYPE
YCC Temporary ダムタイプ
日程: 2018年9月7日(金)~9日(日)
時間: 9/7(金)18:00-(pH) / 20:00-(S/N)
9/8(土)15:30-(pH) / 17:30-(S/N)
9/9(日)15:30-(pH) / 17:30-(S/N)
※上映時間「pH」68分、「S/N」 ※各回入れ替え制、開場は上映30分前 |
会場:YCC ヨコハマ創造都市センター 1階ギャラリー
料金:前売券 1,500円 当日券 1,800円(全席自由)
※前売券完売のため、当日券の販売はございません。
定員:各回50名
※一作品の上映鑑賞につき、それぞれ料金が発生します。 ※18歳未満の方は入場できません。 ※ ※上映に関するインフォメーション・注意事項などはこちらをご覧ください。 インフォメーション |
前売りチケット購入
「YCC Temporary ダムタイプ」の前売りチケットは、Peatixにて販売しています。以下のボタンよりPeatixのサイトに移動し、ご購入ください。※前売券は完売いたしました。
過去の作品
memorandum / Photo: Kazuo Fukunaga
Voyage / Photo: Kazuo Fukunaga
OR / Photo: Emmanuel Valette
主催:YCC ヨコハマ創造都市センター
(特定非営利活動法人 YCC)
共催:横浜アーツフェスティバル実行委員会
Dance Dance Dance @ YOKOHAMA 2018
後援:横浜市文化観光局
協力:ダムタイプオフィス
機材協力:株式会社サンテクニカル
企画:長田哲征(YCC / offsociety inc.)
コーディネーション:長田哲征 / 武井麻里子 / 足立篤史(YCC)
DMデザイン:加藤賢策 (LABORATORIES)
<座席について>
・全席自由席となっています。
・各作品入れ替え制です。同日に2作品をご鑑賞いただく際は、1作品目をご鑑賞後一度退場いただき、次の上映の受付開始後に受付にて2作品目のチケットをご提示の上改めてご入場ください。
・上映開始後の入退場はできません。予めご了承ください。(上映中に立ち上がると映像がさえぎられてしまう可能性があります)
<飲食について>
・会場内で飲食はできません。予めご了承ください。
<撮影について>
・写真・動画の撮影はご遠慮ください。
・本イベントでは、YCCスタッフやカメラマンによる記録撮影を行う場合がございます。客席を含む会場内の映像・写真がYCCや他メディアのSNSやウェブ等で公開されることがございます。予めご理解くださいますようお願いいたします。
<その他注意事項>
・施設内、および施設外周ともに火器厳禁・禁煙です。
・会場内にクローク・コインロッカーはありませんので、荷物等の保管は各自で行ってください。会場内・外で発生した盗難等について、主催者・出演者および事務局は一切責任を負いません。
パフォーマンス、インスタレーション、ビデオ 1990 - 95
1990年、東京・スパイラルでの初演時にはパフォーマンスにあわせて展覧会、ブックレットの出版も行い複数の表現媒体で展開。その後、パフォーマンスはヨーロッパ各国やニューヨーク、シドニー、トロント等で上演された。
《pH》というタイトルは物質の酸性度を示す用語で、パフォーマンスは二項対立の図式にそって構成された13のシーン ― 問い/答え、イメージ/言葉、事実/虚構、拡張/圧縮、公/私、現実/非現実、攻撃/防御、緊張/弛緩、生産/再生産、男/女、内/外、そして最後に第1場と最終場に共通する開始/終焉/再開 ― からなっている。
「《pH》プロジェクトというリトマス試験紙を通して浮かび上がってきたものは、人種や国籍を越えたひとりの人間という基本単位に還元された個々人だろう。プロジェクトを通して、そのひとりひとりの内面にそれぞれの図像が描き出されたものと信じたい。今にして思えば、これは観客に対して差し出されたものではなく、我々に対してのテストだったのではないだろうか。」
WOWOWとの共同製作で制作された《video-pH》(1992)は、様々な公演会場で様々な視点・角度から撮影された膨大な映像が、ダムタイプ古橋悌二によって編集され、単なる記録映像を超えたひとつの映像作品に仕上がった。TTVV-Riccione(イタリア)のSole d'Oro(黄金の太陽)賞、IMZダンス・スクリーン92(ドイツ)のベスト・ステージ・レコーディング賞を受賞。
■パフォーマンス初演:1990年 スパイラルホール(東京)
■出演:ピーター・ゴライトリー、砂山典子、田中真由美、薮内美佐子、古橋悌二
■プロジェクト・メンバー:上芝智裕、鍵田いずみ、小山田徹、高谷史郎、高谷桜子、泊 博雅、藤本隆行、古橋悌二、穂積幸弘 withピーター・ゴライトリー、砂山典子、田中真由美、アルフレッド・バーンバウム、薮内美佐子、山中 透
■公演場所: スパイラル(東京)、アートスペース無門館(京都)、京都市美術館、ICA(名古屋)、「グラナダ・フェスティバル」(スペイン)、「ART IN THE ANCHORAGE」Creative Time(ニューヨーク/アメリカ)、モーダホール(大阪)、CHAPTER(カーディフ/UK)、TRAMWAY(グラスゴー/UK)、「ウィーン芸術祭」MESSEPALAST(オーストリア)、ソフィア王妃芸術センター(マドリッド/スペイン)、Theatre im Pumpenhaus(ミュンスター/ドイツ)、「Zones of Love」展、シドニー現代美術館(オーストラリア)、「JUNEFESTIVAL」Theaterhaus Gessnerallee(チューリッヒ/スイス)、「フェスティバル VISAS」La Luna - Le Manège(モブージュ/フランス)、「フェスティバル EXIT」Maison des Arts de Créteil(クレテイユ/フランス)、「Today's Japan」ハーバーフロント・センター(トロント/カナダ)
■映像演出:古橋悌二
■製作:日本衛星放送WOWOW
■協力:株式会社EGG
© WOWOW + dumb type
pH / Photo: Shiro Takatani
pH / Photo: Shiro Takatani
パフォーマンス、インスタレーション 1992 - 96
1992年「THE BINARY ERA」展(ブリュッセル)にてインスタレーション《S/N#1》発表。同年「アナザーワールド」展(水戸芸術館)にてインスタレーション《S/N#2》発表。1993年《S/Nの為のセミナー・ショー》を経て、94年アデレード・フェスティバル(オーストラリア)にてパフォーマンス《S/N》初演。
《S/N》とは、「Signal / Noise」であり、信号の中にどれだけのノイズが入っているかを測定する音響用語「SN比」 (signal-noise ratio)に由来する。パフォーマンス《S/N》は、今日の社会が直面する切実な問題、すなわち、ジェンダー、エイズ、セクシュアリティといった問題をテーマに、現代社会が抱える、人種、国籍、あらゆるマイノリティや性差別などを正面から捉え、パフォーマンスのみならず周囲の様々なコミュニティとの交流・連携といった具体的なアクティビズムまでも巻き込み展開された。1995年のブラジル公演中に、ディレクターである古橋悌二がHIV感染による敗血症のため急逝するまで、《S/N》は約20ヶ月の間に,12カ国16都市で上演され大きな反響を呼び、また古橋の死後も、古橋不在の《S/N》は5ヶ国・6都市で上演された。1995年、第2回読売演劇大賞選考委員特別賞受賞。
■パフォーマンス初演:1994年 「アデレード・フェスティバル」(オーストラリア)
■出演:石橋健次郎、鍵田いずみ、小山田徹、ピーター・ゴライトリー、砂山典子、高嶺 格、田中真由美、古橋悌二、薮内美佐子
■プロジェクト・メンバー: 石橋健次郎、上芝智裕、鍵田いずみ、小山田徹、ピーター・ゴライトリー、砂山典子、高谷史郎、高谷桜子、高嶺 格、田中真由美、泊 博雅、中川典俊、アルフレッド・バーンバウム、藤本隆行、古橋悌二、薮内美佐子、山中 透
■公演場所: 「アデレード・フェスティバル」(オーストラリア)、モントリオール現代美術館(カナダ)、ON THE BOARDS(シアトル/USA)、「第1回神奈川芸術フェスティバル」ランドマークホール(横浜)、スパイラル(東京)、「フェスティバル VISAS」La Luna - Le Manège(モブージュ/フランス)、「ヨーロッパ文化首都 ルクセンブルグ95」Theatre d'Esch(ルクセンブルグ)、Cankarjev Dom(リュブリアナ/スロベニア)、Theatre im Pumpenhaus - Halle Münsterland(ミュンスター/ドイツ)、「フェスティバル EXIT」Maison des Arts de Créteil(クレテイユ/フランス)、「KUNSTEN FESTIVAL DES ARTS」(ブリュッセル/ベルギー)、「ZURICHER THEATER SPEKTAKLE」Theater Werft(チューリッヒ/スイス)、「ARHUS FESTUGE」Musikhuset(オーフス/デンマーク)、SPIEL.ART – Muffathalle(ミュンヘン/ドイツ)、「FESTIVAL INTERNACIONAL DE ARTES CÊNICAS」Theatre Castro Alves(サルバドール/ブラジル)、「FESTIVAL INTERNACIONAL DE ARTES CÊNICAS」Sesc Anchieta(サンパウロ/ブラジル)、「TOKYO演劇フェア '96」東京芸術劇場、アルティ(京都)、「香港芸術節」香港文化センター、「ニュージーランド国際芸術祭」、テアトロ・セントラル(セビリア/スペイン)、「フェスティバル EXIT」Maison des Arts de Créteil(クレテイユ/フランス)
■映像編集:高谷史郎
■字幕翻訳:アルフレッド・バーンバウム
■撮影:日本衛星放送WOWOW(1995年 スパイラルホール/東京)
© dumb type
S/N / Photo: Yoko Takatani
S/N / Photo: Yoko Takatani
S/N / Photo: Kazuo Fukunaga
1984年に結成。ヴィジュアル・アート、映像、コンピューター・プログラム、音楽、ダンスなど、様々な分野の複数のアーティストによって構成される。京都を活動の拠点とし、プロジェクト毎に参加メンバーが変化して制作される作品は、既成のジャンルにとらわれない、あらゆる表現の形態を横断するマルチメディア・アートとして国内外で発表されている。
また、海外のアーティストとのコラボレーションも積極的に行い、デンマークのホテル・プロ・フォルマとの共同制作(1987、1992)、アメリカの建築家エリザベス・ディラー&リカルド・スコフィディオとホテル・プロ・フォルマとの共同制作パフォーマンス作品《モンキー・ビジネス・クラス》のヨーロッパ3都市での上演.(1996)や、ベルリン世界文化館で開催された展覧会「Translated Acts - Performance and Body Art from East Asia」展(2001)では、現地ベルリンのダンサー7名と共同で振付を創作し、ダムタイプのインスタレーション作品にライブ・パフォーマンスを組み合わせた作品を発表するなど、幅広い活動を行っている。
近年の活動として、2018年1月20日から5月14日までポンピドゥー・センター・メッス(フランス)で個展「DUMB TYPE: ACTIONS + REFLEXIONS」が開催された。
主なパフォーマンス
主なインスタレーション
その他
YCC Temporary ダムタイプ アーティストトーク
「YCC Temporaryダムタイプ」の開催に合わせ、今回の上映作品でもある「pH」と「S/N」の公演時に、ダムタイプのプロジェクト・メンバーとして参加された高谷史郎、山中透、ブブ・ド・ラ・マドレーヌ、砂山典子の4名のメンバーと、ゲストスピーカーとして1994年の神奈川芸術フェスティバルでの「S/N」公演プロデューサーを務められた佐藤まいみ氏をお迎えし、座談会形式のトークイベントを開催します。「pH」や「S/N」を公演していた90年代当時のダムタイプの活動を振り返りつつ、公演の裏舞台から両作品でテーマにしていた社会問題の現代における解釈まで、様々な視点でお話しを伺います。
日時:2018年9月8日(土)19:30〜21:00(開場19:00 → 19:15)※開場時間変更になりました
登壇者:高谷史郎、山中透、ブブ・ド・ラ・マドレーヌ、砂山典子、佐藤まいみ
会場:YCC ヨコハマ創造都市センター1階 ギャラリー
入場料:1000円
定員:60名
※定員に達した為、販売受付を終了しました。当日券の販売もございませんので予めご了承ください。
チケット購入
「YCC Temporary ダムタイプ アーティストトーク」のチケットは、Peatixにて販売しています。以下のボタンよりPeatixのサイトに移動し、ご購入ください。
山中透 Toru Yamanaka 学生時代、京都を中心に実験音楽系のフィールドで活動しダムタイプの立ち上げに参加。創世記のメンバーとして、音楽と音響を担当。1989年よりクラブイベント「DIAMONDS ARE FOREVER」をシモーヌ深雪、故グローリアスと共にプロデュースし、世界各地のクラブで開催する。近年の主な音楽監督の履歴としては、アジアを代表する演出家オン・ケンセンのカンパニー「シアターワークス」を軸に、アートからダンス/パフォーマンスまで多岐に渡る。自身で立ち上げたfoil-recordsの作品として、舞台音楽のリミックス作品集「Sextant(2012年)」などがある。 |
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Photo: Tomoaki Hayakawa |
ブブ・ド・ラ・マドレーヌ BuBu de la Madeleine 1961年大阪生まれ。京都市立芸術大学美術学部美術科構想設計専攻卒業。ダムタイプのパフォーマンス《S/N》(1994-96)に出演。その後、国内外のアーティストとの共同またはソロでパフォーマンス、映像、テキスト等による作品を発表。同時にHIV/AIDSと共に生きる人やセックスワーカー、女性、セクシュアルマイノリティ等の健康と人権に関する市民運動に携わる。最近の寄稿に「たたかう LGBT&アート」(法律文化社、2016)、主な展示等に「セックスと消費主義展」(ブライトン大学、2001)、「水図プロジェクト」(別府・京都、2010-12)がある。 |
砂山典子 norico_sunayama 横浜生まれ。ダンサー、パフォーマンスアーティスト。黒沢美香 & ダンサーズを経て、90年から20年間ダムタイプのパフォーマー。並行してOK GIRLS など、ユニットでのパフォーマンスを行う。ソロワーク代表作に「むせかえる世界」がある。C.Snatch Z. (スナッチ)名義で、コンテンポラリーアート・ダンスとエンターテイメントを横断的に活動中。女子美術大学芸術学部アート・デザイン表現学科非常勤講師。 |
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高谷史郎 Shiro Takatani 1984年から「ダムタイプ」の活動に参加。様々なメディアを用いたパフォーマンスやインスタレーション作品の制作に携わり、世界各地の劇場や美術館、アートセンター等で公演/展示を行う。今年1月から5月にかけてフランスのポンピドゥーセンター・メッスにてダムタイプ初の大規模個展。1998年からダムタイプの活動と並行して個人の制作活動を開始。国内外での公演や個展等多数行う。また、1999年のオペラ《LIFE》以来、坂本龍一との共同制作も数多く、現在ソウルのアートセンターpiknicにてインスタレーションおよび最新 Blu-ray作品を展示中(10月14日まで)。 |
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©宮川舞子 |
佐藤まいみ Maimi Sato 1980年代にフランスで現代ダンスや演劇公演の制作を手掛ける。帰国後、横浜市開港130周年記念「ヨコハマアート・ウェーブ’89」アーティスティック・ディレクターに就任。その後、神奈川国際舞台芸術フェスティバル/プロデューサー、Dance Dance Dance @ YOKOHAMA 2012および2015のディレクターを歴任。2006年より彩の国さいたま芸術劇場プロデューサーとしてダンスプログラムの企画制作にあたる。 |
YCC ヨコハマ創造都市センター
〒231-8315 横浜市中区本町6-50-1
アクセス
■みなとみらい線 馬車道駅 1b出口
(野毛・桜木町口・アイランドタワー連絡口直結)
■JR・市営地下鉄線 桜木町駅 徒歩5分
■JR・市営地下鉄線 関内駅 徒歩7分
YCC ヨコハマ創造都市センター|
特定非営利活動法人 YCC
※本プログラムはYCC ヨコハマ創造都市センター
運営時に実施したものです
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