美術分野におけるVRの活用について

オフソサエティ株式会社では、現代美術を専門とし、展覧会やアートプロジェクトの企画、パブリックアート計画、美術館や芸術文化施設の計画・運営などを手掛けています。以前より、空間のどこに、どのような作品を展示すべきか、その場所に展示した場合に作品はどのように見えるのかなど、企画段階でCG(3Dモデル)を作成し、PC画面上で検討し、企画を固めていくという作業を行うことがありましたが、Oculus Quest 2という3万円台から購入できる安価なVRゴーグルが発売されたことにより、企画段階でのVRの活用や、VR上での展覧会の構築などが可能なのかどうかなど、弊社が手掛ける業務で使用できるかどうか、大変興味を持っていました。Windows 10にバンドルされている 3D Builder や Oculus Quest 2上で使用できる Gravity Sketchなどの3Dモデリング・ソフトウェアの無料提供もクリエイティブ分野での3D使用をより容易に、手軽に始められる理由のひとつです。また、360度カメラやジンバル付き小型ビデオカメラなどの製品が4-5万円台の価格で登場したことにより、現実空間で開催した展覧会を360度カメラで撮影し、Youtube VRなどで公開することは可能なのかについても興味を持っていました。このリサーチは、実際にこれらのVRや撮影機器を購入し、企画段階から使用できるのか、業務で使用できるのかを検証し、公開しています。今後、VRや撮影技術などはさらなる発展をしていくと思われますが、このリサーチが弊社だけではなく、美術関係の方々にとっても参考となれば幸いです。

今回のVRに関するリサーチで主に使用した機材は以下の通りです。

使用機材

  • FormZ – PC上での3Dモデリング・ソフトウェア
  • Oculus Quest 2 – VR ヘッドセット
  • Gravity Sketch – VR上での3Dモデリング・ソフトウェア
  • 3D Builder – PC上での3Dモデリング・ソフトウェア

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Oculus Quest 2

※このVR等に関わるリサーチは2020年10月より開始していましたが、2021年2月に文化庁・文化芸術活動の継続支援事業に採択されたことにより、その助成を使用し実施しています。